7: ◆twOYNJxMJs[saga]
2017/10/06(金) 00:35:19.20 ID:h7xFOhfZ0
「今日は上手くできてよかったな」
みりあちゃんと飛鳥さんに鍵の話をした数日後、今日のレッスンが上手くいった私は上機嫌で更衣室に戻ってきました。
シャワーをゆっくり浴びすぎてしまったので、他には誰もいません。
急いで着替えようとロッカーを開けた、その時でした。
「あれ、ネックレスがない……?」
着替えの上に置いたはずのネックレスがどこにも見当たりません。
「下に落ちちゃったのかな?」
荷物をどかしロッカーの下も確認しますがロッカーの底が見えるだけです。
(最初に着替えた時はちゃんと置いたはず、じゃあ休憩で戻ってきた時に落とした? どうしよう……)
「乙倉」
「ひゃ、ひゃいっ!」
後ろから突然声をかけられ、ネックレスのことで頭がいっぱいだった私は変な声で答えてしまいます。
「どうしたそんなに驚いて」
「い、いえ、なんでもありませんっ! トレーナーさんお疲れ様です」
「そ、そうか……今日のレッスンについてだが良かったぞ。この調子で本番にも向けて頑張るように!」
「ありがとうございますっ!」
普段からレッスンに厳しいトレーナーさんから褒めてもらえると嬉しくなります。
ただ、今の私は素直に喜ぶことはできませんでした。
「喜ぶのはいいが、施錠の時間を過ぎているのでさっさと着替えてくれ」
「わ、分かりましたっ!」
トレーナーさんに言われ、急いで着替えます。
ネックレスのことは大事ですが忙しいトレーナーさんに迷惑をかけるわけにはいけません。
バタンッ!
「急かしてしまってすまないな。もう暗くなるから早く帰るように」
そう言うとトレーナーさんは急ぎ足で去っていきました。
「明日また探しに行こう」
その日はトレーナーさんに言われた通りに真っすぐ家に帰りました。
帰り道に今日のレッスンのポイントを頭でおさらいしていましたが、頭の片隅から鍵のことが消えることはありませんでした。
39Res/44.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20