18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/10/05(木) 20:15:22.27 ID:TzvX0Up20
「なぁ琴葉」
「は、はい!」
「……なんか、テンション変だったな」
「……私もその……舞い上がってました。色々と」
うーんダメだ。このやり取りはミスチョイス。
しかしこのまま俺一人だけ、屋上を離れるのはどうにも気まずくなっちゃうし。
一緒に事務所に戻るには、二人の仲がぎこちない。
平常心だ平常心……深呼吸でもしてみるかなぁ。
「……あの」
「ん〜?」
そうしてだ。俺が夜の冷たい空気を胸いっぱいに吸い込むと、
まるでその動きに合わせるように琴葉がゆっくり立ち上がった。
俺も静かに上げてた両手を降ろし(もちろん息も吐きながら)琴葉の方へと顔を向ける。
すると彼女は、手元の指輪を眺めながら。
「この指輪……なんだか、お守りみたいな指輪ですね」
恐らくは、例の装飾部分を言ってるんだろう。
俺は小窯さんの台詞を思い出し、琴葉に「それな」と答えてあげる。
「デザインをした小窯さんも、リースがなんとかかんだとか」
「リース?」
「ほら、クリスマスによく玄関を飾ってるさ。魔除けみたいなアレだよアレ」
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