17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/10/05(木) 20:13:25.17 ID:TzvX0Up20
===
……でもま、そんなどうにもこうにものぼせ上がってた俺たちを、
夜風がすっかり冷ますまでにそれ程時間はいらなかった。
今、琴葉は指輪をつけたまま、欄干に背中を預けて座っていて。
俺もそんな彼女の隣に立ち、街の明かりを眺めていた。
とはいえ、いくら隣と言ったって、
俺たち二人の間には茜ちゃん人形一体分のスペースをちゃんと空けていたけれど。
涙を指で拭きながら、しゃがんでる琴葉が俺に言う。
「あの、プロデューサー……ど、どうして隣に?」
「いや、風よけぐらいにはなるかなって」
「あ、そう、そうですか……。あ、ありがとうございます」
「別にお礼を言われるほどのことじゃ。……夜風に当たり過ぎたせいで、腹でも壊されちゃ困るしさ」
「えっ? お腹を――」
「ああいや別に……なんでもない。こっちの話」
取り留めも無い会話から、続く沈黙何か言わなきゃ。
……そう! 何はともあれ謝るべき。
さっきの妙な行動についても弁明をしておくべきだろう。
24Res/25.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20