3:名無しNIPPER[saga]
2017/10/05(木) 03:51:22.39 ID:iojGYRpa0
本来隣にいるべき人がいない。それがどうしようもなく朝潮ちゃんの享楽を冷ますのだ。
朝潮ちゃんはチケットを二枚用意していたが、一枚はいまだ切り取られていなかった。
それがあるべき人のもとで正しく使用されていれば、どれほど朝潮ちゃんにとって喜ばしかったか。
しかし、その機会は奪われた。まるで示し合わせたかのように彼は、朝潮ちゃんに妹との関係を公にした。奪われた。
愛しい妹の幸福な表情が焼き付いている。朝潮ちゃんは祝福した。そして、一人で遊園地に来た。
理論的に有り得ないことではなかったが、朝潮ちゃんにとって現実的には有り得ないことであった。そして、事実的には有り得ることでしかなかった。
夕焼けが眩しい。もはや太陽は山の後ろに隠れようとしていたが、どんどん上に昇っていく朝潮ちゃんは山の峰越しに太陽を未練がましく覗き見る位置になっていた。
20Res/11.31 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20