【安価・コンマ】幻想的な世界を探険家が行くようです【オリジナル?】
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450: ◆nN35Xsj1FM[saga]
2017/12/20(水) 22:04:27.95 ID:aukZKkC00
「……あれ」

気がつくと、アルジールは、本を片手に立ち尽くしていた。
おかしい。確かに自分は、今さっき本を読み始めたばかりなのに。
そう思って、本の表紙を見ようとして、気付く。題名が、消えている。
ぱらぱらと、ページをめくる。白紙。何も、書いていない。

「いやはや。まさか、此処までとはね」
「え……」

足元では、団子鼻が、その細い目を大きく見開いていた。

「君は……そうだね、運命に愛されている。これは驚くべき事実だ。ヒトという種族が到達し得る、ある一つの極点に既にいるということだからね」
「運命、に?」
「君のような人間が探険家になるのは、さて、何時振りか。これは先が楽しみだ」

其処まで言って、団子鼻の目は、いつものように柔らかく閉じられた。
先程までの驚愕は、もう見えない。しかし、その目に映る色は、これまでとは少し違って見える。

「……さて。君の頭には、もうしっかりと知識が刻まれている筈だ。だが、少し疲れているようだからね。もう今日は帰って、休んだ方がいい」
「ああ、お代のことだが、君からは取らないことにしたよ。その代わり、探険が終わって、何か技能を覚えたいと思う時は、是非此処に来て欲しい」
「理由は、まぁ、色々あるが。君という人間に、私は興味を抱いたんだ。だから、より多く、君と話をしたいんだよ」
「さ、今日はこれでおしまいだ。早く帰って、横になりなさい」

それから先のことを、アルジールはよく覚えていない。
昼に食事を取った後の時のように、気がついたらギルドに帰り着いていて、気がついたらベッドに寝ていて。
気がついたら、深い眠りに落ちていた。



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技能「遺物の知識 Lv.1」を習得しました。
技能学習点を1消費しました(1→0)。

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