【安価・コンマ】幻想的な世界を探険家が行くようです【オリジナル?】
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300: ◆nN35Xsj1FM[saga]
2017/10/13(金) 21:55:15.18 ID:t/S/PhQg0
「じゃあ、その。バックスさんの事を聞きたいです」
「私の、かね」

それは、探険家としての経歴を? そう尋ねられるが、アルジールは首を振る。

「私以外の探険家って、お姉ちゃ……姉以外に知らなくて」

アルジールには、探険家として家を出た姉が居た。
時折、家に帰ってきては、自分と遊んでくれる、優しい姉だった。
しかし、何故そうした道へ進んだのか、とか、探険とはどんなものだったか、とか、そうした体験は、余り話してくれなかった。
だから、そうした辺りの事情がどうなっているのか、ふと気になったのだ。

しかし、よく考えれば、出会って直ぐの相手に聞くことではなかっただろうか。
そこに思い至り、慌てて訂正しようとしたが、バックスは、何処か納得した様に頷いていた。

「そういう事なら、話すに吝かではないよ」
「ほ、本当ですか?」
「無論だとも。虚偽は罪。これでも私は、意外と信心深くてね」
「一度言ったことを、覆しはしない?」
「然り。まぁ時には、我らの主にお目こぼしを願うこともあるが」

そういって、彼は、彼自身の物語を語り始めた。


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