63: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 16:06:50.96 ID:r5zFZECu0
「クラリス」
僕は小さく彼女の名前を呼んだ。
テーブルに目線を落としている彼女からの返事はなかったけど、耳をそばだてているようだった。
「君をスカウトしたことを、僕は少しも後悔していない。むしろ自分を誇りに思う」
「そして君は本当に素敵なアイドルになってくれた。数えきれない人を幸せにしてくれた。君自身、幸せになってくれていると嬉しい」
その言葉に、彼女は頷いてくれた。
残りの少ないグラスを傾けて、くちびるを湿らせる。
「アイドルになってくれて、ありがとう」
「僕を信じてくれて、ありがとう」
いくつ言葉を重ねても言い足りないくらいだった。
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