陰キャラ「毎日本田未央に話しかけられてつらい」
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14:名無しNIPPER[saga]
2017/09/28(木) 22:28:25.13 ID:OFborRup0
未央「ひっく……ご、ごめんね、いーくん……こんな姿、見せるつもりじゃなかったんだけど……」
陰キャラ「……いや……」
未央「でも、あの、私、別にさっきのあの子達が言ってたような理由で、いーくんに話しかけてた訳じゃなくて……」
15:名無しNIPPER[saga]
2017/09/28(木) 22:29:21.36 ID:OFborRup0
陰キャラ「……本田さん」
未央「……」
陰キャラ「……ちょっとだけ、ぼくのつまらない話を、聞いてくれないかな?」
16:名無しNIPPER[saga]
2017/09/28(木) 22:29:59.97 ID:OFborRup0
トゥルルル
未央「……あ、ごめん、いーくん。プロデューサーから電話だ。実はこのあと、仕事だからさ。校門前まで迎えにきて貰ってたんだ」
陰キャラ「……えっと、その、大丈夫なの? 休んだ方が……」
17:名無しNIPPER[saga]
2017/09/28(木) 22:30:53.35 ID:OFborRup0
次の日の朝。
陰キャラ(あのあと、本田さんからLINEがあって、1〜2週間は仕事が忙しくて、学校に来れないとの事だった)
陰キャラ(それは残念だったけど……ぼくは逆にいい機会だと思っていた)
18:名無しNIPPER[saga]
2017/09/28(木) 22:32:20.70 ID:OFborRup0
陰キャラ(ぼくに出来るのは、これくらいしかないから)
陰キャラ(……この前見た動画の中では……本田さんは、数百人、数千人、あるいは、万を越える人の前に、一人で歌って踊っているものもあった)
陰キャラ(本田さんだって、緊張するだろう。失敗したらどうしようっていう恐怖にとらわれることだって、あるはずだ)
19:名無しNIPPER[saga]
2017/09/28(木) 22:33:01.55 ID:OFborRup0
陰キャラ(……それから、ぼくは毎朝、教室に入る時、大きな声で挨拶した)
陰キャラ(……ぼくの挨拶への反応は最初、恐ろしいほどに芳しくなかった)
陰キャラ(怪訝そうな顔をして、ぼくを見る人。痛々しい奴を見る目で、ぼくを見る人。ぼくを見て、クスクスと笑う人)
20:名無しNIPPER[saga]
2017/09/28(木) 22:33:40.51 ID:OFborRup0
陰キャラ「みんな、おはようっ!」
クラスの男子1「……お前さぁ、急にどうしたん?」
陰キャラ「え……な、なにが?」
21:名無しNIPPER[saga]
2017/09/28(木) 22:34:25.71 ID:OFborRup0
陰キャラ(そして、本田さんが泣いた日から二週間経った日)
陰キャラ(本田さんが久しぶりに登校してきた)
陰キャラ(本田さんが登校してきたのは昼休みで、ちょうどぼくが男子グループと共にご飯を食べており)
22:名無しNIPPER[saga]
2017/09/28(木) 22:35:16.35 ID:OFborRup0
陰キャラ(それから、ぼくは学校生活を思う存分楽しんだ)
陰キャラ(体育祭や文化祭と言った、今までは敬遠してたイベントにも、参加するようになったし)
陰キャラ(挨拶を続けてたら、朝の挨拶運動の実行委員長にもなってしまったのは笑ったけど)
23:名無しNIPPER[saga]
2017/09/28(木) 22:36:07.80 ID:OFborRup0
十数年後
女子生徒「……先生、今日は相談にのってくれて、ありがとう」
24:名無しNIPPER[saga]
2017/09/28(木) 22:37:11.59 ID:OFborRup0
陰キャラ(スクールカウンセラーとして、働きはじめて数年が経った)
陰キャラ(この職業を選んだ理由は、自身の経験を活かして、相談しに来る生徒達に、心から親身になって、話を聞いたりアドバイス出来ると思ったからだ)
陰キャラ(楽な仕事じゃないけども、小中の頃の、友達がいなかった時のぼくの生き写しのような生徒たちの相談にのってあげることで、徐々に彼・彼女達が明るい表情をするようになっていくのは、何回見てもやはり嬉しい)
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