八幡「雪ノ下たちが幼女になってた」
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340: ◆hfr5rHILM6
2017/10/18(水) 21:39:52.88 ID:YmFdvbmy0
「はあ? なんでユイが旅行だからってヒキオのところに親戚の子を預けるって話になるわけ? 意味わかんないんだけど」

「優美子、ちょっと落ち着けって……」

「うっさいし。なんかそれやな感じなんだけど。ユイが休んでる理由もなぜかヒキオは知ってたみたいだし……」

 おいおいおい。こういう雰囲気を作りたかったわけじゃねーぞ。さっきまである程度和やかなムードで話していたはずの教室の雰囲気が、徐々に怒りを高めつつある三浦の言葉に当てられて、息苦しいものになってくる。

 まぁ、彼女が怒る理由もわからないわけではない。自分の仲のいい友達が、休む理由も告げず、学校の嫌われ者と言ってもいいクラスのぼっちの方に大切な親戚を預けているのだという状況は、仲間意識の強い彼女にとっては大層気に食わないことなのだろう。実際俺と三浦の立場が逆で、戸塚が今回のガハマさんポジションにあって、俺よりも葉山グループの方を信用しているという状況になったら、俺も内心釈然としない気持ちを抱えながら仕方ないかと納得してしまうまである。納得しちゃうのかよ。

 だが今回に関してはそれは違う、と声を大して言いたい。由比ヶ浜は単純に三浦に頼れない状況にあったからこそ、こうして俺、ひいては奉仕部に助けを求めたのだ。クラスという衆人環視の中で、自分は幼女になってしまったのだということをカミングアウトするわけにもいかないし、一人になったところで相談してもらうにも、三浦は常に周りに人のいるタイプの人間だ。由比ヶ浜の性格からして、そこまでして自分を優先してもらおうとするのは難しい。だからこそ、ぼっちで、迷惑をかけるのにも気兼ねしない俺にヘルプを求めたのだろう。便利屋ポジションの俺マジ俺。フォロ企谷フォロ幡とでも名乗ろうかな。

 とはいっても、そんな裏事情を事細かに説明するわけにもいかないので、ここはおバカな由比ヶ浜さんじゃなく、俺がどうにか彼女を取りなさなければならない。とりあえず何と言おうか。

「おい三浦、あのな――」

「うっさい、ヒキオは黙ってろし」

 一刀両断であったpart2。どうやらお怒りモードに突入なされた三浦女史には、嫌いな俺の言葉は耳に入らないらしい。これでは俺のスペシャルな会話術も意味をなさない。仕方がないので三浦の隣にいるいけ好かないイケメンにアイコンタクトを送る。届け、俺の迷惑って気持ち。葉山の右後ろくらいから「はやはちキター!!」とかいう謎の言語が聞こえたが気のせいだということにしておこう、うん。

 葉山は俺のアイコンタクトを受け取って、少しの苦笑を浮かべた後、三浦の肩に手を置いて、イケメンボイスで取りなそうとする。

「優美子、結衣にも事情があるんだろうし、あまり責めてやるなよ」

「それは分かってるけど……ユイも冷たいし……」

 三浦さんは想い人の葉山に取りなされて、少し怒りを収めなさったが、やはり納得がいかないようで、拗ねた少女のように唇を尖らせている。膝の上のロリヶ浜さんは、先ほどから一言も発してはいないが、声を掛けるべきかかけないべきか逡巡している。おい余計なことすんなよ、また再燃するかもしれんし。



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