248: ◆hfr5rHILM6
2017/10/04(水) 23:02:53.53 ID:4qDlJarH0
二人と会話している間に、どうやら休み時間は過ぎ去ったらしく、川崎が席を離れたくらいのタイミングで、三時間目の開始を告げるチャイムが鳴った。
幸か不幸か、今日の授業には教室を離れなければならない授業がない。
この時間は数学だった。まあ普段なら睡眠時間なのだが、今回ばかりはろくに睡眠を取れそうにもなかった。
原因は無論、膝の上でかしこまっているこの幼女である。
授業中に生徒の膝の上に座っている幼女などと言う状況は、おそらく彼の教師生活の中でも経験したことはないのではなかろうか。
教師は授業中、結構な頻度でこちらをちらちらと見てきていたため、うたた寝をする暇すらない。
というかその侮蔑に満ちた視線やめてくれませんか。目線が何よりも雄弁に俺をロリコンか誘拐犯だと疑っていると語ってますから。
とはいえ仮にほかの生徒が同じ状況に陥っていたら、俺も同じような視線を送るであろうことは目に見えているので、とやかくは言えないのだが。
俺はペンを手元で遊ばせて授業を真面目に受けているふりをしながら、周囲からちょくちょく集まる視線から気を逸らす。
膝の上のロリヶ浜さんは、初めの頃は俺のノートを覗き込んできたり、真面目に黒板を眺めたりと、むしろ普段よりもちゃんと授業を受けているまである態度で座っていたのだが、どうやら集中力切れを起こしたらしく、俺の筆箱からペンを取って、ペン回しの練習をしようとしている。
当然ちっちゃいおててでは上手くいくはずもなく、むしろ手がペンに遊ばれているような惨状であった。
そのうち飽きたのか、ペンを俺の筆箱の中に戻すと、俺の胸のあたりにこてん、と頭を預けて来た。
数分もしないうちにすぅすぅという穏やかな寝息が耳に聞こえてくる。
まったく暢気なもんで、羨ましい限りである。
結局この数学の時間は、ロリヶ浜さんの観察でほとんどの時間が終わってしまった。
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