161: ◆hfr5rHILM6
2017/10/03(火) 16:51:44.69 ID:/oXUkmlp0
一階に降りると、小町とロリノ下はすでに朝食を取っていた。
「おはよー、お兄ちゃん」
「おはようございます、ひきぎゃやさん」
「おう、おはよ」
ロリヶ浜はまだ寝ているであろうことは確認できているが、辺りを見回してもロリはすの姿はどこにもない。
八幡特製コーヒーを作りながら、小町の方に問いかける。
「なぁ、いっし……ななははどうしたんだ?」
「まだぐっすり寝てるよー。寝る子は育つ! ってね! もちろん早起きできるゆきこちゃんもえらいけどね〜」
「……ありがとうございます」
小町に頭を撫でられ、頬を染めながら黙々と朝食を口に運ぶロリノ下さん。まんざらでもなさそうな表情だなおい。
それにしても、寝る子は育つ、か……。
「……雪ノ下さんや由比ヶ浜は良く寝てたんだろうなぁ」
「……どこをそうぞうしていったのかな、おにいちゃん」
ロリノ下さんがとても可愛らしい笑顔でこちらを見てくる。
あれー? すごくかわいいはずなのに寒気が止まらないぞ?
「ごみいちゃんキモい」
小町さんや、真顔のキモいは男子の心を容赦なくえぐるからやめてくれとあれほど。
傷心を抱えながら朝食の席に着くと、小町はちょうど朝食を食べ終わったようで、入れ違いで席を立った。
「今日はちょっと早めに出て勉強するから、家出るまでみんなのお世話お願いね、お兄ちゃん」
「おう」
食器類を綺麗に片付けて、もう一度ロリノ下さんの頭を撫でた後、小町は肌寒い朝の町へと飛び出していった。
あとに残される俺とロリノ下さん。
こうして静かに、何を語るでもなく、テーブルを挟んでコーヒーを啜っていると、まるで由比ヶ浜が来ていない時の奉仕部の部室のようで、意外に気分は悪くない。
俺はぼーっと朝食を頬張りながら、あの静謐な空間のことを考えていた。
658Res/445.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20