八幡「雪ノ下たちが幼女になってた」
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151: ◆hfr5rHILM6
2017/10/01(日) 16:23:43.21 ID:YcYnwTxy0
「……それで、やっぱり雪ノ下たちがこうなっているのは、あなたが原因と言うことでいいんすかね」

『んー? まぁ、そうだね。単なる暇つぶしと言ったところかな?』

「どういう技術ですかこれ。ノーベル賞とかいうレベルじゃないですよ」

『まぁ細かいことは気にしない気にしない!』

「いや気になりますよ」

『……女性の秘密を深く詮索するのはお姉さんあまり感心しないなー』

 雪ノ下さんの声色が変わる。これだこれ、俺が雪ノ下さんの事を苦手な理由。

 おそらく今雪ノ下さんは電話口の向こうで相変わらずの強化外骨格スマイルを浮かべているに違いない。

 あんな朗らかな笑顔のまま、こんな冷淡で平坦な声が出せてしまうのが恐ろしい。

 一色も同じようなことが出来るが、アレとはレベルが違う。それこそ雪ノ下と由比ヶ浜の胸囲くらいレベルが違う。

 どうやらこれ以上は踏み込まない方が良いらしい。俺はいつの間にか額にまで浮き出ていた冷や汗を拭いながら、質問を続ける。

「なんでこんなことをしたんですか? いくらあなたとはいえ、理由もなくこんなことはしないはずです」

『それはね……』

 雪ノ下さんが再び静かになる。しまった、また何か地雷を踏んだか……?

 思わず身構え、次の一言を待つ。

 電話口から聞こえる息遣い。緊張のあまり、握りしめた左手は白く変色していた。

 この人がこんなことをする理由――それはおそらく深い考えがあってのもので――




 




『だってちっちゃいころの雪乃ちゃんとまた会いたくなったんだもん!!』



「…………はい?」

 思わず口から間抜けな声が漏れた。

 なかった。深い考えとかぜんっぜんなかった。むしろ浅すぎてくるぶしぐらいまでしか浸からないまである。

『雪乃ちゃんは今でもかわいいんだけどやっぱりその頃の雪乃ちゃんはもう天使って言うくらい可愛いのよね!! で、最近アルバム見返してたらもう懐かしくって懐かしくって愛おしくなっちゃって、ついちっちゃくしちゃった☆』

 いいの? そんな軽い考えで人を小さくしていいの?

『今日はちょっと忙しくって会いに行けなかったけど、明日は絶対暇作って雪乃ちゃんに会いに行くからね! あ、ちなみにその姿は三日ぐらい立ったら元に戻るから、そんなに心配はしなくていいよ! 待っててね雪乃ちゃん!』

「…………」

 チラッと横を見る。

 どうやら雪ノ下さんの声は電話口から漏れ出ていたようで、凄まじい表情で頬をぴくぴくさせているロリノ下さんがそこにはいた。

 巻き沿いを食らったロリヶ浜さんとロリはすは、もう呆れすぎてすんごいジト目になっている。ジトーッて言う擬音が聞こえてきそうなレベルで。

 ロリノ下さんはどうにかポーカーフェイスを取り戻すと、スッと立ち上がり口を開いた。

「……わたしはとりあえず、ねえさんとはちあわせにならないようにどこかにかくれ――」

『あ、ちなみにどこかに逃げようとしても無駄だからね! お姉ちゃんパワーを見くびっちゃだめだぞ! どこに居ても絶対に見つけちゃうから、大人しく比企谷君の家で待ってるんだよ、雪乃ちゃん♪』

 ……知らなかったのか? 大魔王からは逃げられ(ry。

 というかなんでロリノ下が俺の家にいるの知ってんだよ。怖い、魔王怖い。

『じゃあ明日お宅にお邪魔するね! またね、比企谷君〜』

 そう一方的に告げると、自由勝手な魔王様は電話をお切りになった。後には魔王の気まぐれに付き合わされた哀れな一般人たちがいるばかり。

 誰もが口を開けずに固まっていると、ロリノ下さんがじわっと涙をにじませながら俺の袖を掴んできた。やだ可愛い。

「……もうやだ、かえる、おうちかえるぅ……」

 さしもの雪ノ下も、魔王の前では形無しなのであった。


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