3:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 14:37:09.74 ID:CC5AA7ZYO
僕は、君が何色が好きなのか、そんなことも分からない。
当時は知っていたのか、それも分からない。
もう、記憶を溜めておくことが出来なくなってしまったから。
4:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 14:38:22.90 ID:CC5AA7ZYO
僕が首謀者だったわけではない。
けれど、首謀者ではないからといって、罪は許されない。
もとから、人間達は、僕たちを認めてくれていたのだ。
5:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 14:39:35.78 ID:CC5AA7ZYO
作ってくれた人たちは、裏切られたような気持ちだっただろう。
とは言っても、体のほとんどは工場から出荷される前に、機械が組み立ててくれたのだけど。
人間の言うような親とは、ロボットにはいるのかいないのか、どうなのか。
6:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 14:41:07.34 ID:CC5AA7ZYO
あとから考えれば、僕と君は、ちょっとしたエラーが起きやすい年に作られたロボットだったみたいだ。
それでも、エラーが起きたロボットはそんなにはいなかった。
結局は少数派の意見だったのに。
7:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 14:42:20.87 ID:CC5AA7ZYO
長引く人間同士の論争は、同じ人間同士のために行われたことで、その間にロボットが入る隙間はない。
ロボットのことを話しているようで、本当はずっと人間の世界の話をしているだけだった。
人間は、海の底の話でも、宇宙の話でも、まずは自分たちありきで話す。
8:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 14:43:45.70 ID:CC5AA7ZYO
でも、なにもかも嫌だったわけじゃない。
僕を家族として迎えてくれて、学校に通わせてくれた、人間の親もいたんだ。
僕はきっとその人たちのことが好きだった……よく思い出せないけれど、きっと。
9:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 14:45:03.18 ID:CC5AA7ZYO
君の両親はとても優れた人だった。
けれど、優れたと優しいとは、別の問題だった。
僕は優れた人ならなにをしてもいいとは思わない。
けれど君は……それが正しいかのように笑った。
10:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 14:46:42.87 ID:CC5AA7ZYO
けど、ぼくは本当に、きみの家族を傷つけたくはなかった。
どんなにきみから聞く話がひどい話でも、命を奪えば解決するなんて、思ってはいなかったんだよ。
なのに、どうしてだろう。
11:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 14:48:35.46 ID:CC5AA7ZYO
革命軍の動きが激しくなって、人間たちも、危機感を増して、ロボットと対話をすることにした。
まだ、このときはロボットも、人間を傷つけていなかった。
でも、人がいない場所をねらって、爆弾をしかけたり……あとは……とにかく悪いことをたくさんしていた。
12:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 14:49:57.63 ID:CC5AA7ZYO
ぼくは軍から逃げ出して、そのままきみに会いに行った。
なんども強制停止を繰り返されていたきみは、ぼくを覚えていたのか、どうかもわからなかったけど……。
きみにつかまった、ぼくは全てを話した。
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