19:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage saga]
2017/09/27(水) 15:02:17.33 ID:CC5AA7ZYO
もしあなたに会いに行ったら、あなたはまた同じ笑顔を見せてくれるだろうか。
もうこの世界には残っていない、優しい笑顔を。
宇宙船のかすかな揺れに合わせて、プラスチックのカバンに詰め込んだ部品が、カチャカチャと音をたてた。
あなたがくれた、桜の花をかたどったストラップは、部品に当たらないように外にぶら下げてある。
私が桃色が好きだと知って、あなたがプレゼントしてくれたことを、忘れてしまいたくなくて。
視線を窓の外に移すと、底なしの闇の中で、微かに残った希望のような星が、瞬くのがみえた。
まるで、あの日あなたがくれた、カバンの絵柄を映すように。
終わり
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