160: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/01/22(月) 17:03:30.52 ID:CA2QW3PKo
―そして、給湯室―
コポポポポ…
志保「…………」←カップにお湯を注いでいる。
志保「コーヒー一杯のイマージュ〜、先に越されたね――」
志保「……KISSのお返ししよう……」
ぽつり、呟き少女は熱々のカップを手に取った。そして吸い込まれるように縁へとキス。
ちょうどそう、プロデューサーがコーヒーに口を付ける場合、高確率で唇が重なるであろう部分にだ。
「ふふっ♪」
実に計画的、天才的な間接キスの仕込みを終えた少女は思わず笑みを漏らし……。
「しぃぃ〜ほぉ〜〜?」
背後から突然聞こえて来た、今一番会いたくない女の声に驚き振りむいた。
ニヤニヤと笑うその女は持っていたカップうどんの蓋を開けながら言う。
「一体何をイマージュしたのかしらね〜」
まさにそれは一生の不覚。浮かれていたとはいえ許されざるほどの油断大敵。
だがしかし、志保は非常に落ち着いていた。
彼女はこちらをからかう気満々な静香と真っ正面から向き合うと。
志保「…………」ズズッ
静香「っ!?」
志保「勘違いしてるみたいだけど、コレは私の分だから」
そう言って、堂々と給湯室を後にする志保の背中は大きかった。
ふてぶてしい好敵手の対応に静香も思わず感心し、
やりきれない敗北感を反芻するうちにカップうどんの麺は伸びた。
そして、再びPのデスク――。
志保「お待たせしました。どうぞ」
P「ああ、ありがとう志保――って、あれ?」
志保「どうかしました?」
P「いや、何だかコーヒーが……カップの半分もないような」
志保「気のせいでしょう、気のせい」
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