海未「甘える。ですか?」にこ「そうよ!」
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5: ◆MwaQFwCsKdWu[saga]
2017/09/23(土) 17:03:15.00 ID:BOlAQLTjO


「ち、ちがいます!これは……!」

慌てて涙をぬぐいますが、拭っても拭っても、蛇口の栓が壊れてしまったかのように、涙は止まってくれません。
そのうち、嗚咽まで漏れてしまいます。
恥ずかしくて、情けなくて、申し訳なくて、すぐに起き上がろうとしましたが、にこに頭を押さえつけられてしまいました。

「に、にこ……?」

「いいから。大丈夫だから、寝てなさい」

ポンポン。
あやすように頭を軽く叩くにこ。子供扱いされているようで少し気恥ずかしくなりましたが、不思議と嫌な気はしませんでした。

「……あんたにとっては、当たり前のことで、褒められたってピンとこないんだろうけどね……」

なんでしょう、この感覚。
にこの言う通り、私は誰かに褒めてもらいたいからとか、そういう下心のためにやっているわけではありません。
だって、私にとっては普通で、普段通りなのですから。

だけど……

にこ「海未は、頑張り屋さんで、すごい子なんだから」

そういいながら頭を撫でて、にこは鼻歌を歌い始めました。
悔しいですが、流石は下に3人の弟妹を持つ姉と認めざるを得ません。普段はあんなな癖に、こういう時はしっかり「お姉さん」をしている。

「……にこは、ずるいです」

ぎゅっと、にこの手を握ります。それは、私より小さいのに、私の手の方があたたかく包まれてるようでした。
本当に、ずるい。そんなこと言われたら


これからも、甘えたくなっちゃうじゃないですか……




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