七尾百合子「プリムラの花に、言の葉を乗せて」
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7: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/09/18(月) 20:04:54.82 ID:6BNrNmyXO



「あ、も、もしもし?ぷ、ぷろ……プロデューサーさんですよね?!」

 口が上手く動かず、かみかみです。
 プロデューサーさんに掛けてるんだからプロデューサーさんに決まってるのに。
 落ち着いて、落ち着くのよ百合子。
 文学少女らしく、おしとやかで大人な女性に……

「……あれ?」

 通話は始まっている筈なのに、プロデューサーさんの声が聞こえません。
 どうしたのかな?電波が悪いんでしょうか?
 もしかしたら、私が舞い上がって留守電サービスの音声を聞き逃していたのかもしれませんね。
 仕方が無いので通話を終わらせ、再びプリムラに向き直ります。

「ありがとうございます!」

 願いを叶えてくれたんですから、お礼も忘れません。
 明日、どんな感じで事務所に行けばいいでしょう?
 きちんと、顔合わせられるかな……
 あ、えっと、他の誰かには……伝えない方が良いかな。

 今までの不安が、魔法で喜びに変えられたみたいに。
 私の心は熱いまま、嬉しい不安が重なります。
 急いでお風呂に入って、明日を楽しみに待って。
 なかなか寝れないのに、ずっと幸せなままで。

 部屋に置かれたプリムラは、此方へ微笑む様でした。




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