七尾百合子「プリムラの花に、言の葉を乗せて」
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19: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/09/29(金) 18:15:28.25 ID:mEfCliWxO


 ピロンッ。

「……誰だろ……」

 悴んだ手でスマホを開くと、通知が一件。
 相手は……プロデューサーさん!

『お疲れ様、百合子。色々大変だけど、一緒に頑張って乗り越えような!』

 そんな、優しいプロデューサーさんからのライン。
 プロデューサーさんだって忙しい筈なのに、私がレッスンを終えるタイミングで連絡をくれて。
 やっぱり私の事を考えてくれてるんだな、なんて。
 そんな嬉しさがあったのは嘘じゃないのに。

 なのに、その筈なのに。
 プロデューサーさんは、私に気遣って連絡してくれた筈なのに。

『プロデューサーさんにとっては、私と会話出来ないのは乗り越えられる程度の事だったんですね』

 送信ボタンに指をかけて。

 ……そうじゃない!私は、そんな事……!

 時すでに遅し、後悔先に立たず。
 送られたラインは消す事なんて出来ず。
 既読がすぐについちゃって。
 なのに、電話で謝ることも出来ないから。

『ごめんなさい、明日必ず謝ります』

 そう送って、私は目を滲ませながら夜の街を走りました。





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