七尾百合子「プリムラの花に、言の葉を乗せて」
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15: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/09/29(金) 18:12:56.02 ID:mEfCliWxO


 自宅のベッドにゴロンと身体を投げ、私は無気力に天井を眺めていました。
 何が起きているのか、全く理解が追いつきません。
 何故こんな事になったのか、全く理由が分かりません。
 結論だけはハッキリしていて、それは私にとって決して認めたくなんてないもので。

 プロデューサーさんの声が、聞こえない。
 私の声が、プロデューサーさんに届かない。

 ……なんで?どうして?

 疑問は渦を巻き、不安を煽ります。
 不可思議な状況だって事もそうですけど、それ以上に。
 もしこのままお互いの声が届くことがなければ、私はずっとプロデューサーさんの声を聞けないままで……
 それは、とても辛い事でした。

 大好きだったからこそ、余計に。
 ようやく結ばれたからこそ、尚更。

 あの後、小鳥さんに勧められて私は耳鼻科に行きました。
 でも、当然診断結果は正常そのもの。
 だって、プロデューサーさん以外の声や音はきちんと聞こえてるんですから。
 プロデューサーさんもおそらく、同じ結果が出ると思います。

 ……なんで、プロデューサーさんの声だけなの?
 私、悪い事なんてしてないのに!
 せっかく結ばれて、これからだって時に!
 どうして……?なんで……

 もしかしたら、明日には元どおりになってるかもしれない。
 もしかしたら、本当にたまたま耳の調子が悪かったのかもしれない。
 もしかしたら、これは全部夢だったのかもしれない。
 もしかしたら……

 淡い理想を胸に抱いて、私は夢の世界へと落ちて行きました。





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