奈緒「特別な一日」
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14:名無しNIPPER[saga]
2017/09/17(日) 23:20:53.47 ID:5vUTo85X0
集合場所についたのは9時30分。約束の時間の30分前だ。ちょっと早すぎたな、とも思ったけど、音楽でも聞いてればあっという間だろう。

そう思った矢先、後ろからトントン、と肩をたたかれた。反射的に振り向くと、そこにはPさんがいた。 

「ずいぶん早かったな、奈緒。もっと遅くてもよかったのに」 

「Pさんこそ早すぎだろ!?何分前からいたんだよ!?」 

「まあ相手より先に待っておくのが社会人の流儀だからな。俺のことはあんまり気にしなくていいぞ。…それよりその服、似合ってるな。かわいいぞ」 

「は!?な、なに言ってんだよ!?ぜんぜんアタシのイメージと違うし、か、かわいいとかそんなこと全然ないから!」 

勇気を出して選んだ服が似合ってるといわれ、その上かわいいと言ってもらえるなんてとっても嬉しい。

でも、Pさんの前でだとなぜだか素直に言葉が出てこないんだよな。他の人ならある程度は大丈夫なのに…。 

「そ、それより早く映画館まで行こうぜ。…ほらいくぞPさん!」 

半ばやけくそ気味にPさんの手を掴んで映画館まで歩き出す。Pさんの手は大きくて、あったかくて、胸の音がいやに大きく聞こえた。

映画館までの道のりはそこまで長くはないみたいだけど、いかんせん人が多い。

少しでも油断するとあっという間に離れ離れになってしまいそうだ。

しばらくすると、案の定人波にのまれて流されそうになる。すると、アタシがただ引っ張っていただけのPさんの手が、ギュッとこちらを握ってきた。

びっくりしてPさんの方を向くと、Pさんも少し恥ずかしそうにしながら言った。 

「ほら、あのさ、離れ離れにならないように手…繋ごうか」 

Pさんがこんな事言うなんて…驚きのあまり声が出ないアタシは、返事のかわりに手を握り返した。 


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