22: ◆Vcl4B/DaxY[sage saga]
2017/09/17(日) 01:54:56.15 ID:X5xNsRV70
・着物姿に簪を刺している女の子
???「……」
着物姿の、淑やかそうな女性。
彼女は静かに目を閉じ、何かに意識を向けているようだった。
???「……どなたか……いらっしゃいますか?」
稲羽「あ……はい」
私の返答を確認すると、彼女は深々と礼をする。
???「失礼致しました。少し、音を拝聴していたのです」
???「お初にお目にかかります。わたくし、お琴を弾かせて頂いております……辰爾和琴と申します」
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【超高校級の琴奏者】辰爾 和琴(タツミ ワコ)
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代々琴奏者を輩出してきた辰爾家の跡取り娘。
辰爾家は琴奏者として伝統的な家系で、その正式な後継者である彼女の琴は人の感情に強く作用する働きがあるらしい。
辰爾「稲羽兎様……因幡の白兎の伝承を思い起こさせますね」
彼女は考え込むように、手を顎に添える。その一挙一動に丁寧さが伴っている。
辰爾「皮を剥がれた痛みに泣いていた兎に、正しい治癒法を教えた大国主命は……兎から予言を受け、八上姫を娶る事になります」
辰爾「その兎はある意味では、大国主命に幸運を齎したと言えるのではないでしょうか」
確かに兎って、縁起の良い物の象徴とされる事がありますけど……この話も、少なからず関係しているんでしょうか。
辰爾「……稲羽様は、その白兎の生まれ変わりかもしれませんね」
稲羽「そ、そうですか……?」
辰爾「ええ。兎で幸運ですから、何かの縁を感じます」
稲羽「え……えへ……」
……な、何を喜んでいるんだ、私は。
辰爾「ふふっ」
辰爾さんは、少し悪戯っぽく笑っていた。
【INFO】
辰爾和琴と出会いました。
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