120: ◆Vcl4B/DaxY[saga]
2017/09/27(水) 21:50:48.46 ID:fXBconDS0
03(奇数)
辰爾さんが泣いている。
彼女は四季ヶ原ちゃんに襲われているこの状況が、苦しいのかもしれない。
辰爾「稲羽、様……」
辰爾さんの肌には痛々しいキスマークがいくつも付けられている。彼女の目には涙が溜まっている。
私は自分の着ている兎を脱ぎ、それを辰爾さんの身体にかける。
稲羽「……」
四季ヶ原ちゃんが植物だけでなく、人間にもここまでするなんて……いえ、彼女ならやりかねなさそうですが。実際今こうなっている訳で……
稲羽「一体、何がどうしてこんな事に……」
四季ヶ原「ぅーん……ただ、和琴ちゃんが可愛かっただけだょ」
困惑するしかない私に、四季ヶ原ちゃんは何でもない事のように答える。
四季ヶ原「和琴ちゃんは目、見えないんだょね? それがまるで植物みたいに思えるの……」
四季ヶ原「あの子たちは言葉を話せないし、わたしの姿が見えているかも分からない……だから……出来るだけ他の感覚全部で、わたしを感じて貰いたいんだ」
稲羽「……」
確かに、植物から四季ヶ原ちゃんの事は見えないかもしれませんね。
四季ヶ原「それで、和琴ちゃんが植物みたいだって思ってるうちに……和琴ちゃんの事が愛しくなってきて。それでね」
四季ヶ原「さっきの感度で……もっと好きになっちゃった」
四季ヶ原ちゃんはそこまで言って、はにかむ。
やっぱり彼女は、幼さとは到底かけ離れた感性を持っている。
四季ヶ原「和琴ちゃん、辛かった?」
辰爾「いいえ……ただ……」
辰爾「とても恥ずかしくて……」
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