11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/12(火) 06:47:33.81 ID:UqQkvsyl0
はたと、そこである事に春香は引っかかった。
「ねぇ待って。イベントはランキング形式で、ランキングってことはポイントか何かを溜めてみんなに順位をつけるんだよね?」
「ええそうよ。一曲遊ぶごとに専用アイテムが手に入って、それを使ってイベント用の楽曲を遊んで」
「その分のポイントを溜めて順位付け?」
「プレイするには時間で回復する"元気"が必要らしいから、なるべく早く始めたいの」
焦って答える千早に向けて、しかし春香は
「ちょっと待ってよ」と制止するように片手を突き出すと。
「イベントがもう始まってるなら、元気の回復にかかる時間分、既に千早ちゃんは遅れを取ってるワケだよね」
「ああ、それなら心配しなくても大丈夫。元気はアイテムで回復させることができるそうだから」
その言葉に、春香が恐る恐ると訊いてみる。
「……有料で?」
「お金ならあるわ! 唸るほどあるわ!!」
次の瞬間、千早が自分の鞄から札束を一束取り出した。
それは折れも汚れも無いピン札の、しかも諭吉が集まった束であり、
春香のような庶民に毛が生えた程度のそこ売れアイドルがまず目にすることの無い日本銀行券の束であった。
それが今一つ、二つ、三つ四つとテーブルの上に積まれていく恐怖! 絶望!
急に通い慣れた事務所と言う名の空間が、異世界の一部に取り込まれてしまったかのような圧倒的な非日常感!!
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