39:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 18:10:11.24 ID:4sMggCAno
幸子はあの村で撮った写真を頭からひとつずつ見ていった。
幸子の腕に抱かれているペロの写真が何枚もあった。
モデルのように立つ雪美とペロの写真はもっとたくさんあった。
それから可愛くポーズを決める幸子の写真が数枚続いた。
捕まえたカニを手にしてドヤ顔を決める幸子と背後で熱心に川面を覗き込んでいる雪美の写真があり、カメラの前に得意気にアユを差し出している雪美と幸子の写真があった。
明るい杉林の中にひっそり隠れている秘密基地の写真はまるで一枚の絵のようだった。
伝説の剣を掲げる雪美のポーズは改めて見ても奇妙で可笑しかった。
セミを追いかける雪美や、捕まえた虫の写真がたくさん残っていた。
駄菓子屋の軒下でアイスを舐める雪美の写真があり、同じアングルで溶けたアイスを必死に舐めている幸子の写真があった。
そして、アルバムのある時点からはほとんど自然風景の写真ばかりになった。
ひたすら滝を映した絵が並んでいた。
時々、それらの写真の端っこに、何かに気を取られてそっぽを向いてる雪美の姿が映ったりしていた。
そうしてアルバムを眺めているうちに、幸子はふと、雪美のことが気になった。
あの物静かな少女は今頃何をしているだろう、と思った。
幸子は、あの日、別れも告げずに去った後の、幸子のいない村でひとりぼっちで遊んでいる雪美を想像した。
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