30:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 18:02:35.88 ID:4sMggCAno
◇ ◇ ◇
次の日も幸子は雪美と一緒に外へ遊びに出かけた。
雪美のある知り合いの家の近くにタヌキが住み着いているというので見に行ってみると、大人しいのが一匹、民家の裏の木材置き場に寝そべっていた。
さすがに手を出すのは危なかったので近くで観察しながら葉っぱを目の前に垂らしてからかったりした。
雪美はこの村のあらゆる避暑地を熟知しているらしく、おかげで幸子は日中家にいるよりも涼しい思いができた。
他にも、どんぐりのよく採れる場所、一面にひまわりの花が咲いている場所、幽霊が出ると噂の場所、様々な面白スポットも教えてもらった。
雪美は幸子の知らない事をたくさん知っていたが、幸子もまた負けず劣らず豊富な知識と経験を備えていた。
というのも、幸子が所属しているアイドル事務所には霊感のある少女やキノコを愛して止まない少女などおよそ一般的とは言いがたい特殊な趣味の人間が多く在籍しており、そんな特殊な友人と普段から接していれば自ずと特殊な知識も増えていくというものである。
また幸子はそのアイドル活動において海外の極地ロケやスカイダイビング、サバイバル番組の出演など、こちらもおよそ一般的とは言えない現場を数多く渡り歩いてきたので、珍しい体験談を語らせれば右に出る者はいなかった。
そうして二人は時々、お互いに面白い遊びを教え合ったり、珍しい思い出話をして時間を過ごしたりした。
また次の日には幸子の父が同行してカブトムシを捕まえに行ったりもした。
夜明け前、暗闇の雑木林へ幸子と雪美と幸子の父の三人がそろそろと入って行く。
前日にあらかじめ用意していた罠を覗き込んでみると、立派なカブトムシが二匹、樹にしがみついていたので幸子たちは大喜びした。
そして同時に罠を作って設置した父の知識と手際のよさに感心した。
「これでも昔は虫捕りの名人だったからな」
父は幸子と雪美に尊敬の眼差しを向けられて照れくさそうに鼻をかいた。
捕まえたカブトムシは一匹ずつ分け合って家で飼うことにした。
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