横山奈緒「夕焼けのシャッターチャンス」
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8:名無しNIPPER
2017/09/10(日) 23:05:37.46 ID:ZNhdxt+t0
お手洗い行ってきますね、と亜利沙が言って席を離れてしまった。
私の視線の目的地は行方不明で、なんとなくテーブルの上の大きいアルバムを突き刺す。

「ありさの秘蔵アルバム第二十二章、とか言うてたか」

その言葉を真に受ければ少なくともこのサイズのアルバムが二十個以上あるってことなんやけど、まあ、本当なんやろうな。
先ほどの口争いが時間を経て、なんとなく「冗談やから」の一言を引き出しにくくなった頃。雰囲気の悪さをどうにかしようと亜利沙がカバンから取り出したのがこのアルバム。
分厚いページには一枚一枚、良い表情をしたアイドルを収めた写真が敷き詰められていた。

「この未来、髪ボサボサやん……。こっちの志保は珍しいなぁ、事務所で居眠りしとる」

と、独り言。
ぺらぺらとページをめくりながらな。……それにしても私の写真見つからんな。やっぱり複雑……あっ、この美奈子可愛い。
となんだかんだ楽しみながらアルバムを覗いていた。さっきまでは……亜利沙の前だとなんとなく写真を見てもはしゃげなくてな。
だって、複雑な気持ちだったから。別に恋人を趣味より絶対に優先しろ、なんて私は口が裂けても言わない。だけどその趣味が他の女についてやと、なんかなぁ。



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