14:名無しNIPPER
2017/09/10(日) 23:09:16.63 ID:ZNhdxt+t0
「あっ、はい。じゃあ、ありさ。いっぱい奈緒ちゃんの写真を――」
そう言うと素早くカメラを取り出す亜利沙。はやっ、流石亜利沙やな。
そして流れるような動作で私は落とさないようにそれをひったくった。高そうで、使い方も複雑やけど亜利沙が使ってるのをよく見たから大丈夫やろ。
片手でそのカメラを操作して、上手いこと私たちをレンズに収める。
開いた方の腕で亜利沙を逃がさないように、肩へ手をまわした。
ひゃん、と声を上げる亜利沙が可愛いなぁ、なんて。
「二冊のアルバムのどれにも亜利沙は写ってなかったやろ。寂しいわ、だからな」
そう、カフェで見たあのアルバムには……当たり前やけど、カメラマン自身である亜利沙の姿は全然写っていなかった。
亜利沙的にはそれで良いのかもしれんけど、私にはそれが気にいらへん。
だから、
私はシャッターを切る。パシャリと、亜利沙を連想させる心地いい音がした。
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