55: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:21:38.59 ID:UExX3PfR0
「貴方は優しいけど、その優しさは何に対しても関心が無いからこそのもの。だから誰に対しても寛容になれるし、誰に何を言われても何も感じない。だって心の中ではどうでもいいって思ってるから」
「おい、奏……」
「今の貴方には好きな人も嫌いな人もいない。貴方の瞳に私の姿は映っているけれど、本当は何も映ってない。貴方の眼に物は映るけど、本当は何も視えてはいないのよ」
責めるような奏の口調に、思わずこちらも気色ばむ。
が、冷静に対応しなければならない。
「……確かに俺の部屋にはあんまり物が無いかもな。だけど、それだけで俺の事を……」
「知ってるわよ。そもそも貴方に時間を掛けなきゃ理解できないような『貴方』というモノがあるの?」
75Res/35.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20