31:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:15:43.10 ID:+EtVRVLso
……花子はまだまだ、恋愛のこととかはよくわからない。そういうのはきっと経験のある櫻子の方がよくわかってる。
でも今の櫻子が、誰に見られても恥ずかしくない恋愛をしているとはどうしても思えなかった。後ろめたい何かを感じる。
この人は櫻子のことが大好きで、告白までした。櫻子もそれをわかってる。
でも櫻子にはひま姉がいるから、この人とは恋愛関係じゃなくて、友達関係のままでいたいと望んでる。けどこの人はそれじゃ納得しなかった。
花子「会いたいって、言ってたよ……」
櫻子「うん……」
花子「……会うの?」
櫻子「…………」
花子「花火大会の日、休み取ったって……櫻子のためだよね。去年も一緒に行ってたもんね」
花子は覚えてる。去年の夏休みもずっと勉強を頑張ってた櫻子が、「今日くらいは」って浴衣を着て友達と一緒に花火を見に行ったときのこと。
きっとその日のことがすごく楽しかったから、また今年も櫻子と一緒に過ごせたらいいなって思ってるんだ。
櫻子は倒れるようにベッドに横たわると……携帯を枕元に放り置き、ため息をついた。
櫻子「花火、向日葵と行こうと思ってたのに……行けなくなっちゃったなぁ……」はぁ
花子「っ……!?」
櫻子のその言葉を聞いて……気づいたら、花子は櫻子の腕をひっ掴んでた。
櫻子「痛っ!?」
花子「ひま姉の話はしてない!! この人と櫻子だけの問題でしょ!」
櫻子「な、なんだよ……! なんで花子が怒るの!?」
驚いた櫻子が身をこわばらせている。
自分でも驚くほどの大きな声が出ていた。
花子「だって去年はあんなに仲良かったじゃん! 花子覚えてるもん! それに櫻子が転校しちゃってからも、こんなに会いたいって言ってくれてるんでしょ!? 会ってあげてよ!」
中途半端な対応を取っている櫻子に、めちゃくちゃむかついた。
この人と櫻子とひま姉の3人の中で、櫻子が一番わがままを言っているような気がした。
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