3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 16:57:27.72 ID:+EtVRVLso
櫻子「明日から夏休みって考えたら、わくわくしちゃって眠れなくてさ」
向日葵「だとしても、家で大人しくしてなさいな……なんで私のところに来るんですのよ……半年前は言いそびれましたけど、軽く住居侵入罪ですわよ?」
櫻子「ちぇー……」
向日葵「……それとも、あのときみたいに……寝ている私を抱きしめて、寂しさを紛らわせたかった?」
櫻子「は、はぁ!?」どきっ
向日葵「ほんとあなたって、大胆なんだか奥手なんだか……」
櫻子「ち、ちがうもん! そんなんじゃないもん!///」
向日葵「しーっ! 静かにしなさい……! みんな寝てますのよ……」
櫻子「あ……ご、ごめん」
つい反論で大きな声を出してしまった櫻子は、慌てて口を押さえて壁の方へ目を向けた。
壁の向こう側では、小学生にあがって自分の部屋を持たせてもらえるようになった楓が寝ているのだ。
櫻子「…………」
向日葵「…………」
真夜中の静寂の中、言葉を続けることができなくなった櫻子は、ふたたび私の方へ向き直り、ふわりと穏やかな表情になった。
私も仰向けになったまま頭を枕に乗せ直し、ほんのりとした月光を背に映す櫻子を、薄目で静かに眺める。
櫻子「……向日葵」
向日葵「……なあに?」
櫻子「……私、うそついた。ごめんね」
向日葵「うそ?」
櫻子「うん。今の『ちがうもん』って、嘘だった……」
そういうと櫻子は、やんわりと倒れ込むように私の横に身体をうずめて……首元に顔をすり寄せた。
櫻子「懐かしいなあって思ってさ……こうして向日葵のところに来るの……///」
向日葵「……ほら、やっぱりそうだったんじゃないの」
……子供っぽいところは小さい頃と同じだが、そんな櫻子も高校生になって、変わったことがある。
こうして私に、素直に好意を向けてくれるようになった。
ついつい反射的に反発してしまうことはあっても……その後で本当の想いを伝えてきてくれるようになったのだ。
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