31:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:43:54.70 ID:+EtVRVLso
疲れ果てた私たちはベッドに倒れ込み、そのまま眠ってしまったようだった。
気が付いたときにはもう世界は朝になっていて、先に起きていた櫻子が私の髪を撫でていた。
こんなに幸せな朝があっていいのだろうか。まるで夢が現実になったみたい。私は櫻子の太ももに頭を乗せて、すりすりと甘えた。
櫻子「……いや、あの、起きて」
向日葵「……えっ」
櫻子「ごめん、めっちゃおなか減ったの……昨日のお昼から何も食べてないから……」ぐきゅる〜
向日葵「…………」
何も食べていないのは私も同じだったが、櫻子が本気で辛そうにしていたので、私はベッドに移った愛しい温もりを手放して起きることにした。
時刻は朝6時すぎ。せっかく朝食を作るならみんなの分もと思い、私たちは顔を洗って身支度を調え、手を繋いで大室家に向かった。
気づかれないようにそっと玄関を開けようとしたが、櫻子が取っ手に手をかけようとしたところでドアが自然にがちゃっと開き、私たちは驚いて飛び上がった。土曜日なのに早起きだった撫子さんが、新聞を取るためにちょうど外へ出てきてしまったらしい。
撫子「……うわ」
向日葵「……お、おはようございます……」
撫子「……朝帰り?」
櫻子「ちゃうわ!!///」
撫子「あーあー、すっかりお熱いことで……もしかしてこれから毎日こんな感じを見せつけられるの? 勘弁してよ」
向日葵「も、申し訳ありません……」
櫻子「いやいや、謝ることじゃないでしょ!」
撫子「…………よかったね。二人とも」ぽん
櫻子「!」
撫子さんは、私たちの頭に手を乗せて笑った。
39Res/66.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20