27:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:40:54.38 ID:+EtVRVLso
櫻子「あのね……もうぶっちゃけ、きっかけは覚えてないの。気づいたら私、こうなってた」
向日葵「……気づいたら?」
櫻子「向日葵はずっと昔から隣にいたけど……なんとなくいつからか、向日葵と話すの楽しいなってなったり、向日葵を見てたいなと思うようになったり、向日葵に会いたいなって思うようになったことが増えたりして……」
向日葵(うっ……)
櫻子「こ、こんな気持ちになったのは、はじめてだったの……///」
向日葵(か……かっわいい……)かああっ
櫻子は本来、恥ずかしいと思うようなことからはすぐに逃げてしまう子だ。
人よりも何かを恥ずかしがること自体少ないが、自分の気持ちに冷静に向き合うことがあまり得意じゃない。
その櫻子が、自分自身の心に問いかけて引き出した本音を、逃げずに打ち明けてくれている。それも笑顔で。
全部全部、私が未だ見たことのない櫻子だった。櫻子にこんな一面があったなんて、夢の中でしか知らなかった。
櫻子「それで、昨日も言ったけど……もうすぐ夏休みだったから、今年の夏こそは向日葵と一緒の時間をいっぱい作りたいなって思って、夏休みになる前に、きちんと告白しようって思って……」
向日葵(こ、告白って言った……///)どきっ
櫻子「えっと……あのね……」
向日葵「うん……」
櫻子「…………」
向日葵「…………」
櫻子「……あーだめだ! なんて言おうとしてたか忘れた!///」ぷはっ
向日葵「ええ!?」
櫻子「違うの! ちゃんと考えてたんだよ! なんて言おうか! 今日も授業中にノートにちっちゃく書いて覚えてたのに……!」
向日葵「ま、まあいいですわよ。用意した原稿を読んでほしいわけじゃありませんわ。今のあなたの心の中にある本心を言ってくれれば。それが正解なんですから」
櫻子「本心……」
向日葵「ええ」
櫻子「……そ、そうだよね。よし! じゃあもう、言う!!」ぱんっ
向日葵(!!)
櫻子は両手を思い切り膝に打ち当て、大きく息を吸い込み、背筋を伸ばして前を向いた。
真剣すぎる熱い眼差しが、私の意識を貫く。
言われる。とうとう言われる。
胸いっぱいに何かがこみあげてきて、息ができなくなった。
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