24:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:38:22.89 ID:+EtVRVLso
ホームルームが終わって、しばらくこの学校ともお別れなのねと思いながら掃除をしていると、後ろからちょんちょんと肩をつつかれた。誰かと思って振り返ったら櫻子だった。
櫻子「あ、向日葵っ」
向日葵「あら、どうしたんですの?」
櫻子「あの……その、私先帰ってるね」
向日葵「ああ……わかりましたわ」
櫻子「うん……それじゃ」
向日葵「はい……」
櫻子「ま、またね」
向日葵「ええ。また」
ぎこちなさすぎる笑顔を見せて、櫻子はぴゅーんとどこかへ行ってしまった。時計を見ると、午後4時をまわったところ。いよいよその時は目前に差し迫っている。
一緒に掃除をしていたクラスメイトから「櫻子どうしちゃったの」と驚かれたが、私もだんだん落ち着いてはいられなくなってきた。
昨晩の櫻子の優しい目が、甘い声が、温もりが急に思い起こされる。
ああ、まさか本当に、こんな日が訪れてしまうなんて。
きゅんと苦しい胸に耐えきれず、箒を握る手にぎゅっと力を込めた。
このまま目を閉じたら、ふらっと倒れてしまいそう。
私はばくばくと音を立てそうなほど脈打つ心臓を抑えながら、掃除を終えてそそくさと帰路についた。
こんなに緊張しているのは、生まれて初めてかもしれない。
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