荒木比奈「なぜ私がプロデューサーを避けるのか」
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25: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/09/01(金) 00:20:50.55 ID:2OqBKnfl0

罪悪感と共に目を覚ます。比奈はすでにいなかった。寝床の縁に置き手紙があったので、それに目を通す。

『食べ物と飲み物は冷蔵庫の中に入れておきました。お大事に。  比奈』

急いでいたのか、走り書きの文字だった。置き手紙を読み終えた後は冷蔵庫まで体を運び、中を確認する。ゼリー、栄養ドリンク、スポーツドリンク、その他いろいろなものが入っていた。

…本当にありがたい。そして申し訳ない。これだけでも結構な出費だったろうに。今度のお礼は、とても大きなものにしなければ。

体の調子はというと、かなりよくなっていた。これも比奈のおかげかな。俺はさっき選ばなかったパインのゼリーを取り出す。よく冷えて美味しそうだ。

「いただきます」

がっつくようにゼリーを口に運ぶ。食欲も戻っている。すぐに食べ終え、物足りずイチゴの方も取り出し食べてしまった。

「…シャワー浴びよ」

汗がしみこんだシャツを脱ぎながら風呂場へ向かう。着替え一式、そして左側から取り出したタオルを用意して浴室に入る。

さっき、寝る直前に気にかかってたことが頭をよぎった。でも。やっぱり思い出せなかった。こういうときはもうさっぱりと気にしない方が良いだろう。

それよりも、夢の内容の方が気になっていた。あそこまでリアルな夢は中々ない。匂いや感触も思い返すことが出来る。本当に珍しい。

「…柔らかかったな」

しかし、あまりこういうことを思い返すのもよくないだろう。比奈に申し訳が立たない。この夢は、記憶の奥底に封印することにした。

明日のことに目を向けて気を紛らすことにしよう。今日一日休んでしまった分、明日は少し頑張らなければならないし。




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