1:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 22:55:06.07 ID:T/krsg560
お風呂から出たあとののぼせた身体にひんやりとした潮風があたる。私は普段より少し多めに空気を取り込んでから、吐き出している。
千歌(やっぱりこの時間も好きだな。)
私自身、私は並より素直な方だと思う。だから、この荒い吐息にも、また少し熱くなった心身にも嫌気がさしたりはしない。
家の目の前の道から少し先に光るいつもと同じ自販機で果汁100%の甘酸っぱいみかんジュースを一本!
ではなく、
この時間だけは"コーヒー"を買って飲む。
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 23:10:56.06 ID:T/krsg560
しかも白色や茶色ではなく黒色を基調にデザインされた缶。
千歌「に…苦い…」
でも私はAqoursのみんなや、応援してくれている内浦のみんなに嘘をついているわけじゃない。嫌いなものは嫌いだ。苦いもん。
3:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 23:11:53.29 ID:T/krsg560
梨子「あれ?千歌ちゃんコーヒー克服したの?」
4:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 23:24:26.17 ID:T/krsg560
千歌「えっ、あ、これは…いやいやいやこれは押し間違えて買っちゃっただけだよー!ほらあれだよ、バカチカだし!」
さっきまでの快感の余韻を楽しみ終わったあとの、ちょうどぼーっとし始めたところだったからコーヒーを隠しそびれた。
梨子「ふーん…そうなんだ…。」
5:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 23:31:30.20 ID:T/krsg560
千歌自身では嘘なんてついてないことはもちろんなんだけど、それを証明なんてできないし、ましては真実を話すわけにはいかない。
千歌(明日は何も聞かれたくないな…うん聞かれないに決まってるそうに違いないや都会の子ってデリカシーとかしっかりしてるだろうし大丈夫だ大丈夫もうこういう日は毛布使って寝よう。)
私は分厚い毛布に無理やりくるまって眼を閉じた。
6:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 23:39:29.70 ID:T/krsg560
翌朝はやっぱりいつもよりずっと爽やかな朝だ。
千歌「曜ちゃんおはよー。」
曜「おはヨーソロー!」
7:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 23:48:09.82 ID:T/krsg560
曜「千歌ちゃんは何をそんなに焦ってるのさ…。」
梨子「やっぱりどこか体調でも悪いの?」
8:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 23:55:55.90 ID:T/krsg560
家に帰ったら荷物を置いてすぐに着替えて家を出た。
9:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 23:59:01.18 ID:T/krsg560
私はこの時間だけは家族や学校、それに友人やアイドルのことも忘れる。
この
10:名無しNIPPER[saga]
2017/08/28(月) 00:11:03.70 ID:Uyzte5RP0
浜から20メートル程度離れたあたりで深さは10mといったところ。
脳と、全身の筋肉を動かすための酸素が尽きかける。
11:名無しNIPPER[saga]
2017/08/28(月) 00:18:46.10 ID:Uyzte5RP0
千歌「さて、次は飛び込みだーっ!」
おぼつかない足取りのまま3,4m程の岩の上に立ち、そこから思い切り飛び込む。
12:名無しNIPPER[sage]
2017/08/28(月) 00:19:58.63 ID:NfmK1AiSO
あっ(察し)
13:名無しNIPPER[saga]
2017/08/28(月) 00:29:56.30 ID:Uyzte5RP0
千歌ちゃんが嫌いなはずのコーヒーを嬉々とした表情で買う光景。もう2週間ほど前から立て続けに見ている。
梨子「ねぇ曜ちゃん。見えたでしょ?」
14:名無しNIPPER
2017/08/28(月) 00:38:00.75 ID:Uyzte5RP0
梨子「うーん…でも本当に克服したんだとしたらわざわざ隠すようなことじゃないし…。」
曜「あとこれも気になってんだけどさ。最近部室で着替えてる時間になると千歌ちゃんがやたらと身体を隠すようになった気がするんだけど。梨子ちゃんはどう思う?」
15:名無しNIPPER[saga]
2017/08/28(月) 00:40:55.63 ID:Uyzte5RP0
曜「コーヒーの方はわからないけどさ、
16:名無しNIPPER[saga]
2017/08/28(月) 00:47:52.78 ID:Uyzte5RP0
梨子「まだ本人に聞いてみないとわかんないじゃないのよ。」
曜「いや本当に本当に。いいからモード解除してみてよ。」
17:名無しNIPPER[saga]
2017/08/28(月) 00:52:22.57 ID:Uyzte5RP0
おふざけがにキリがついたちょうどその時、千歌ちゃんが缶を捨てて家に戻ろうとこちらの道に向かってきた。
梨子「でも真面目な話、私たちが原因なら土下座でも何でもして2度と見ようとしないように気をつけないと。」
18:名無しNIPPER[sage]
2017/08/28(月) 00:59:46.38 ID:NfmK1AiSO
闇のある千歌ちゃんっていいよな
19:名無しNIPPER[saga]
2017/08/28(月) 01:00:51.73 ID:Uyzte5RP0
梨子「千歌ちゃん…。」
曜「…。」
20:名無しNIPPER[saga]
2017/08/28(月) 01:08:40.25 ID:Uyzte5RP0
梨子「じゃあどうして私達から逃げるのよっ!私達だけじゃなくて1年生も3年生も心配してるのよ…?ずっと嫌いだって言ってたコーヒーも!いつからか知らないけど少なくともあの日からは毎日飲んでるじゃない!」
千歌「…」
21:名無しNIPPER[saga]
2017/08/28(月) 01:16:08.42 ID:Uyzte5RP0
千歌「ごめん…言えない…かな…。」
曜「っ…!な、なんでっ!」
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