83:名無しNIPPER[saga]
2017/09/01(金) 00:20:57.38 ID:gRyzT9wx0
「えっ!?」
薫と奈緒の声が重なる。
しかし、その次の発言を待たずに、都は言葉を続ける。
「昨日のプロ野球、見ましたか?」
「大変盛り上がっていましたね。特にキャッツのゲーム」
「日を跨ぐほどの延長大熱戦の末、12回のウラにキャッツの劇的なサヨナラ勝ち! 凄まじいゲームでした」
いきなり昨日の野球の結果を語り出す都に、他の3人は口を挟めない。
「そういえば、このゲーム、始球式を務めたのは、この事務所の誇る野球大好きなあのアイドルだったそうです」
「きっと、最後の最後まで、試合の行く末を見守っていたことでしょう。まさか始球式だけやって帰るなんてそんなことはありえない」
「彼女のプロデューサーさんは、試合後に彼女を車で引き取りに行ったのだと思います。しかしここで問題が起きます」
「……泥酔した彼女が車の中で眠ってしまったのです」
「彼女のプロデューサーさんは困りました。女子寮に送るにしても、自分は中には入れない。他の部屋のアイドルも寝ている時間だ」
「そこで彼は苦肉の策を取った。ひとまず、彼女を事務所に寝かせるという手段です」
「そして早朝に目を覚ました彼女は、冷蔵庫で見つけたプリンを食べ、帰宅した……」
「昨日の夜中から、杏さんときらりさんが来るまでの間が犯行時刻なら、これ以外にありえません。それに……」
「ほら、今日のレッスン予定表、お昼からのレッスンが1件、中止の×印が書き込まれていますよ。"体調不良"って」
「……姫川、という文字の上に」
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