77:名無しNIPPER[saga]
2017/09/01(金) 00:16:32.20 ID:gRyzT9wx0
実のところ、安斎都は悩んでいた。
アイドルとしては、まあいい。
仕事がそこまで多いわけではないが、それでも着実に前に進んでいる実感はある。
歌も、ダンスも、最初は酷いものであったのだが、それなりに形になっているように感じる。
また、"探偵アイドル"という(多少ニッチな)キャラクターもあり、万人受けとは言わずとも、多少のファンだっているのだ。
プロデュース方針にも不満はなく、都自身の意志を尊重してくれている。
しかしながら、探偵としての自分はどうだ?
前に進んでいるか? 「探偵です!」と胸を張って言えるか?
人捜し、身辺調査、捜し物、ケンカの原因究明、などなど……
探偵として、全力で取り組んでいるつもりではある。しかし、それが解決に繋がることはほとんどなく、空回りすることばかりだ。
"探偵は勘が鋭いものだ"と、よく目にするが、残念ながら都の直感は当たらない。
このままでは"探偵アイドル"ではなく、"探偵の真似事をしているアイドル"になってしまう!
そういう焦りが都の中にはあった。
……ファンや仲間はそんなことを承知の上で、都を応援しているのだが。
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