198:名無しNIPPER[saga]
2017/09/19(火) 20:19:03.65 ID:k1yJYnNv0
何が幸せで不幸せかなんてものは一概には言えないのだろうが、それでも、白菊ほたるは不幸体質といっても差支えなかった。
幼いころから身の回りでは良くないことが頻発して、周りからも疎ましがられているようだった。それは両親にアイドル活動をする許可をもらいに実家へ訪問したときにも感じた。
実の家族からもまるで腫物を触るかのような扱いで、逆にプロダクションに迷惑がかかりますがそれでもよろしいんですか、と念を押されたときは怒鳴り散らしてやろうかと一瞬頭をよぎった。
誰からも愛されず、そして誰よりも優しい彼女は、思いつめた結果廃ビルへ足を運んだのだろう。
もう迷惑がかからぬよう自らの命を絶つために。
そんな結末はあんまりだ。
「こんな私でも……みんなを笑顔にさせることができますか?」
スカウトをしたとき、そう訊いてきた彼女のいじらしさにこちらが泣きそうになった。
こうして、白菊ほたるは俺のプロデュースの元、薄幸の美少女アイドルとしてデビューする。
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