196:名無しNIPPER[saga]
2017/09/19(火) 20:14:59.24 ID:k1yJYnNv0
「待てッ!」
反射的に叫んだ。
屋上の少女はびくりと体を引いて、下からは見えなくなる。
と、恐る恐るといった風に小さな頭が伸びてきて覗き込んできた。
思った通り、まだ子供じゃないか。
「そのままそこにいろ! いまそっちに行くから、話をしよう!」
「話すことなんて……ないですよ……」
少女の返事。か細く、それでいてよく通る声だ。
「君になくても俺にはある! いいから待ってろ!」
わざわざ此方を伺いに顔まで出してくるのだから対話はできると踏んで、俺は少女の待つ廃ビルに駆け足で侵入する。
階段を一段とばしで駆け上がる。息が上がるのも構わず。
急げ。もっと急げ!
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