170:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 21:55:53.89 ID:QOYRkH000
「あった……」
専用の真っ黒なバッグは、棚の奥の暗闇に融け込んでいた。
薄らかかった埃をはたいて開けてみると、中身はほぼ未使用のビデオカメラ。
取り出してかちゃかちゃとボタンを押したり開いてみても、電源はつかなかった。
ずっと放置してたから、バッテリーが自然に放電して無いのかもしれない。
バッテリーパックを取り外して、充電器に差し込んでみると、充電中のランプが点滅し始める。
途中、食堂で晩ごはんを食べようと輝子ちゃんが部屋のドアをノックしたけど、食欲がないと断った。
明日の朝ごはんは一緒に食べると約束すると、わかった約束だよと言い残して、輝子ちゃんがドアから離れていく気配がする。
次第に小さくなる足音を聞きながら、私は規則的に瞬く充電器のランプをぼうっと眺めていた。
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