速水奏「ピローキス」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/27(日) 19:45:46.28 ID:PvjaGSFXO
「いいのよ、本当になんだって。貴方の望むことをしてあげる。貴方が私と望んでいることを叶えてあげる。なんだって……ほら、キスだって」


 身体と一緒に前へ出た顔。唇。それを震わせて、焼けるように熱い吐息を注ぎながら言う。

 なんでもしてあげるから、言って。と。

 言う。プロデューサーさんから私へ望んでほしいこと。私がプロデューサーさんへ望むこと。したくて、してほしくて、もうどうにもたまらなくて……今にも理性を振り切って、求めてしまいたいと望むこと。それを。


「…………」

「…………」


 一瞬沈黙。

 お互いに見つめあって、熱く濡れた吐息を交換しながら無言で数秒。

 そんな間を置いて、無音の時間をかすかに挟んでから。


「…………好きよ、プロデューサーさん」


 呟く。ぽつりと、一言。

 するとすぐ。その一言を言い切ったその瞬間、重なる。

 キス。唇と唇が重なる、愛おしい人との大好きな行為。何よりも望む睦み事。


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