【トトリのアトリエ】ミミ「こんなことはこれっきりにしてよね」
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5:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 13:18:01.71 ID:SC7wIBIj0
 ちらちらと燃える焚き火の灯りはテントの中の闇を光で揺らしている。槍を傍に置き体を横にして毛布を被る。トトリを連れていれば、基本的に屋根の下で眠ることが出来るのはありがたい。体はすっかり疲労している、すぐに眠れるだろう。私は眠気を感じながら、光に揺れる天井を眺める。

 うつらうつらと曖昧な頭で、ついさっきトトリがなんだか知らない草を摘む姿を思い出していた。いつもの光景だ。

 トトリの眼にはなんでもない草木、花、土、どんなものも違って映るのだろう。目を凝らし、必要なものを浮き出して見つけることができる。砂利を捨てて宝石を拾うことができる。私には出来ない。
 私の眼は、動きを鋭く捉えることに長けている。瞬時に頭に流し込み、対応した動きを体に反映させる。トトリには出来ない。

 トトリの眼と私の眼はまるで違う。見えている景色も全く違っているのだろうな。同じじゃない。

 私は何が言いたいのだろう。ああ、もう眠い。

 重く落ちる瞼に逆らえない私には、その先は考えられなかった。


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