8: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2017/08/27(日) 12:53:27.31 ID:IW6lTeqn0
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そんなやり取りを経て、私たちはショッピングモールへとやってきた。
いろんなお店を冷かして、ふらりと帽子屋さんに立ち寄る。
「プロデューサー、選んでよ。私はそれ買うからさ」
「え、そんなテキトーでいいの? 自信ないな」
「だったら、私が次々にかぶるからどれがいいか教えて」
たくさん並んでいる帽子を一つ手に取って、頭に乗せプロデューサーの方を向く。
「これは?」
「いいね。似合うよ」
かぶっていた帽子を棚に戻して、違うものをまた手に取って頭に乗せる。
「じゃあこれは?」
「うん。かわいいと思うよ」
なんてことを、何度も何度も繰り返した。
「ねぇ、選ぶ気ある?」
「嘘は言ってないし、一つを選ぶとなると、どうしてもなぁ」
「いや、わかるけどさ。お金がいくらあっても足りないよ」
呆れて私がそう言うと、プロデューサーは腕を組んで「うーん」と唸った。
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