12:名無しNIPPER[saga]
2017/08/28(月) 01:16:21.42 ID:IYrDO8pO0
写真を写真立てに入れて机にかざり、椅子に座ったときに見やすいよう調整する。これである程度自分の荷物はほぼ出しただろう。私服は使うまでこのカバンに入れ続けておこう。
「さて、荷物はもう触らなくて良いだろう。Верный、仕事をしよう」
これからはこの幌筵で頑張っていくぞと気合いを入れ直し、椅子に座って仕事を始めようとしたときВерныйはキョトンとした顔でこちらを見ていた。
「どうしたВерный、流石に着任早々から仕事をサボる訳には…」
「いやそうじゃなくて、ここでどんな仕事をするつもりだい?」
「そりゃあ、工廠で建造や装備開発をしたりだな」
「ここの設備は全て壊れてるけど、どうやって建造・開発をするんだい?」
その言葉を聞いた途端、目眩がした。建造するための設備が壊れているのにどうやって戦力を増やせというのか。これじゃあ、こんな辺境の地でどうやって過ごしていけというのか。
「…どうするんだよこれ。完全に厄介払いじゃないか。とにかく残っている資源の量を確認しよう」
「そうだね、倉庫に案内するよ」
コートを羽織、軍帽をかぶり直して執務室の外に出る。さっきまでの暖房がある執務室とは違って、廊下は嫌な寒さがある。
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