晩夏にほどける
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13: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/08/24(木) 22:21:43.13 ID:fLR/Lwcb0
 丁寧に言葉を選んで話し、相手の気持ちを汲むのが上手かった。
 いつも意図的に集団の中央から一定の距離を保ち、なにがしかの意見を求められる時は、常に中立的な目線からものを話した。

 顔の輪郭が綺麗で、右目の下に小さな泣きぼくろがあり、くちびるが薄かった。
 声は大きくはなかったが聞き取りやすく、笑う時は目を糸のように細めた。

 日常的に方言を話し、アルコールの類を愛していた。


 そんな彼女のことを好ましく思うようになったのはいつからだろうか、わからない。
 長い下り坂を歩くようにして、どこか明確な点として彼女を意識するようになったわけではなく、緩やかにおれの領域を彼女が占めていった。



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