【デレマス時代劇】一ノ瀬志希「しあわせの白い粉」
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30:名無しNIPPER[sage]
2017/08/19(土) 08:27:27.03 ID:GVuX5Nn80
翌日、早苗は再び同心達を引き連れて、集落に出向いた。

今度は真っ先に、“かわた”の家をたずねた。

「ここで作っている雪駄を全て出しなさい」

早苗がそう言うと、かわたの女が苦しげな声をあげた。

まだ腫れがひいていない頰が、小さくひきつる。

疑惑が確信に変わった。

「出来ないなら、こっちで勝手にやらせてもらうわよ」

早苗がそう言うと、相手はおずおずと家の中から、

作りたての雪駄を差し出した。

都がそれを受け取って、小柄で革面を裂く。

すると中から、白い粉がはらはらと舞った。

早苗は女を他の同心にまかせて、自分は裂けた雪駄を片手に、志希の家に向かった。

まだ壊れたままの戸を、今度はゆっくりと開ける。

中には、やはり志希がいた。

「そっちもバレちゃったかぁ」

肩をすくめながら、彼女は呟いた。

早苗は志希を取り押さえることはせずに、

「どうしてこんなことを?」、と尋ねた。

尋ねたあと、失言だったと口をつぐんだ。

だが、志希はうっすらと微笑んで、答えた。

「このクスリを売らなかったら、今のあたし達はいなかったから」

戸口から吹き込んでくる風が、やけに冷たかった。


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