【デレマス時代劇】一ノ瀬志希「しあわせの白い粉」
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19:名無しNIPPER[sage]
2017/08/19(土) 08:18:05.97 ID:GVuX5Nn80
翌日から早苗は1週間ほど休みを取った。
病にかかったわけでも、怪我をしたわけでもない。
ただ、自分がいなくなった番所がどうなるのか気にかかった。
あまり外を出歩くと周りの視線が痛いので、早苗は屋敷にこもって酒を飲んだり、
書を読み解いたりして過ごした。
下女と下男が1人ずついるので、特に生活に困ることもない。
ただ改めて家に長くいると、伴侶のない侘しさを実感した。
母が生きていたころは方々の家から声がかかってきて、早苗はそれを断り続けた。
職務に一身を捧げるつもりであった。
だが、番所での居場所が見つけられない今となっては、
家庭という拠り所を作っておかなかったことが悔やまれる。
事件のことでもう頭が痛いというのに、今度は伴侶か。
早苗は鬱屈とした心持ちで4、5日を過ごした。
そして休みが明ける前に、こっそり番所をのぞいてみた。
自分がいなくとも、うまく回っていた。
むしろ鬼の上役がいない分、彼女達はのびのびと働いている。
早苗はがっくりと項垂れて、帰路についた。
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