3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/18(金) 16:25:53.36 ID:7tf1xLWMO
「そうですかぁ……何もないなら、いいんですけど……」
うっすら濡れてゆらゆら揺れる……けれど逸らすことはしないでまっすぐ前へ向けられるそこ、その瞳を一途にじいっと見つめながら言葉。しっかりと感じてもらえるように……吐く息の湿り気を帯びた熱い感触を感じてもらえるように心を込めて。想いを乗せて、心を尽くして。吐息と一緒に言葉を贈る。
「……」
「……」
「…………」
「…………」
首へと回した腕を動かして、すりすりとそれを擦り付けてみたり。
居心地が悪いわけじゃない。別に必要じゃない。けれどもぞもぞ。押し付けるようにして何度も何度も座る位置をずらしてみたり。
深く息を吸って、愛しく甘い香りに身体をぶるりと震わせて。深く息を吐いて、貰った以上の愛しい想いを注いで届けて。大きく深呼吸をしてみたり。
会話はない。絡み合った視線だけは解いてしまわずに交わし続けて、見つめあったまま無言の時間。
それを過ごす。ゆっくりとゆったりと。たっぷりいっぱい贅沢に。
「…………あ、ら……うふ……」
「……まゆ?」
「いえ、ごめんなさい。なんでも。……それより、その」
「うん?」
「そろそろいいですかぁ……? また、前のときみたいに……」
「前の、っていうと……」
「はい、あれです。まゆから……プロデューサーさんに抱きしめてもらいながら、まゆからもプロデューサーさんに。ぎゅうって、いっぱい、するやつを……」
「あー……えっと……」
「……駄目、ですかぁ?」
「いや、駄目とかじゃないんだけど……」
「プロデューサーさんはまゆにされるの、嫌……なんですかぁ……?」
「嫌なわけはないよ。それは絶対。うん。ないんだけど」
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