37:名無しNIPPER[saga]
2017/08/29(火) 03:29:01.58 ID:uqEl8HJr0
旅の前日
俺「●●駅で電車に乗って、△△駅で降りる…」ブツブツ
母「いざ、都会に行くとなると覚えることが多くて大変ね。でも、おおよその計画は立てられたんでしょ?」
俺「それはそうなんだけど、乗降車する具体的な時間と泊まる宿が決まってないんだ。
それに家にあった日本地図が、あてにならないのは困っている」
手に持った地図を広げて、母に見せつけた。畳一畳ほどもある大きさのそれは年月と湿気によって黄ばみ、虫がところどころ食い荒らした跡が残っている。
図は読みづらいし、数十年前のものなので地形も変わってしまっている。
母「若い頃、父さんと新婚旅行したときは、それで行けたんだけどねえ」
俺「その頃って電車の運賃も高かったのじゃないか」
母「ええ、ざる蕎麦250杯分の値段だった。だから、運賃を浮かすために徒歩で20里(60km)は歩いたの。今はもうできそうもないわね」
俺「そんな新婚旅行は嫌だな」
母「やってみれば、案外平気なものよ。それに書生の父さんのほうが体力なかったから」
俺「へぇ。じゃあ、なら俺も大丈夫かな」
母「あの奉公人の子、都会からきたらしいし。きっと、ね」
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