4: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/08/14(月) 22:20:07.81 ID:tqMrYpHf0
「くっそ…どういうことだ…?」
こういう格好をしたら嫌われるんじゃなかったのか?むしり凛のやつ悦んでなかったか?俺の中に想定外の疑問が浮かび上がると同時に、背後の曲がり角から気配を感じた。
「あら、P君おは…」
その気配の主は早苗さんだった。早苗さんと遭遇した、してしまった。まずい。早苗さんはマズい。
彼女は今でも警察と太いパイプを持っている。このままじゃ俺は逮捕されてしまう。アイドルに嫌われる前に、俺の存在が社会から嫌われることになってしまう。
「P君、何その格好…!?」
誤魔化せ。口から出任せでもいい。早苗さんが警察にコールする前に勝負を決めろ。
「…ば、罰ゲームですよ!は、はははは!!」
「え?」
「今度のバラエティの!ええ!罰ゲームなんですはい!そうですそうです罰ゲームです!アイドルにやらせる前に俺がすることになったんですよ!はは!はははははは!」
早苗さんは何が何だかよく分からない顔をした後、何かを悟ったのか、俺をまるで雨に打たれて震える子犬でも見るかのような哀れな目で見て、
「……辛いこととかあったら、いつでも私に相談してね?私はP君よりもお姉さんなんだから…」
とだけ告げ、その場を後にした。
俺はこの後すぐに部屋に戻り、泣きながらいつもの服に袖を通し、白鳥を床にたたきつけた。どうしてか涙が止まらなかった。
泣き顔を洗うためにトイレに向かう途中、やけに満足そうな顔の凛とすれ違った。
「ありがとう」とだけ、そのときぼそりと言われた。
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